ケチャップの謎 ダブル・フィルター

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こんにちは、風呂めぐみです。ご縁のある皆さま、いつもありがとうございます。高松でソーシャルビジネスのプラットホーム、コワーキングスペース・ガイニーを運営させていただいています。コワーキングスペースという提供させていただいている設備の特徴から、起業時の初期投資費用をおさえられるため、何かをはじめたい方の利用も多く、相談にのることがあります。セルフブランディングのお手伝いをさせていただいています。

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レビュープラスさんから、ご献本いただき、レビューを書かせていただく事になりました。といっても、今回いただいたのは、出版前のゲラとよばれる状態で、初めて手にしたゲラにとてもワクワクしました。レビュープラスさま、講談社さま、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございます。

大きさはコピー用紙のB4で、バンドクリップでとめてあり、最初のページ右下の隅に「舞字形変形置換処理済 対象文字 有」と赤字で捺印されていました。そのお隣には、「プレプリス 10.6.04 再校」と黒く丸い捺印が押してあり、多分、印刷前工程で、正文・外字を変換する「舞字変形」とよばれる文字の置き換え処理が6月4日に終わっているという意味でしょうか。


ゲラの大きさは新聞半分より少し小さめ

ご献本いただいた本は、7月7日発売のマルコム・グラッドウェル著 勝間和代訳の「ケチャップの謎」世界を変えた”ちょっとした発想”です。マルコム氏がニューヨーカー誌に寄稿した歴史的名コラム6話が収録されており、その中の3話を読ませていただきました。コラム集の第1巻のテーマは「世界を大きく変えた”小さな業界の天才たち”」の物語です。コラム集は、続編の出版が、第2巻は8月に「失敗の方法論」、第3巻は9月に「採用は2秒で決まる?」とタイトルは変更になる可能性がありますが、続けて出版される予定で、今から大変楽しみにしています。

私が「ダブル・フィルター」というセカンドタイトルにさせていただいたのは、前回のマルコム氏と勝間氏コンビ作でもある「天才!」が大変おもしろく、とてもわかりやすく何人の方にもおすすめして絶賛された本の事を思いだし、お二人のフィルターを通して、今回は何が見えるのだろう?と思ったからです。

「ケチャップの謎」は6話収録中3話までを読ませていたきました。途中までだったからなのか、物語の背景がアメリカで主人公も外国人で内容が繊細だったからか、理解するのに時間が必要でした。6話の内容は

・第1章 TVショッピングの王様
アメリカのキッチンを征服した男
・第2章 ケチャップの謎
マスタードは数十種類以上、なのにケチャップは、なぜ同じ味?
・第3章 ブローイング・アップ(ぶっ飛び)の経済学
ナシーム・タレブが壊滅的損失の不可避性(ブラックスワン)を投資戦略に転換させるまで
・第4章 本当の髪の色
ヘアカラーと戦後アメリカの隠れた歴史
・第5章 ジョン・ロックの誤解
避妊薬(ピル)の開発者が女性の健康について知らなかったこと
・第6章 犬は何を見たのか?
カリスマ調教師シーザー・ミランの“神業”

と、なっていて、途中3章のブローイング・アップ(ぶっ飛び)の経済学まで、今回ゲラでいただいたという訳です。日本語での本のタイトルは「ケチャップの謎」ですが、原書では「What the dog saw」と言って6話がタイトル名となっているようです。ドックウィスパラーと呼ばれる獰猛で問題を抱えた犬をなだめる事ができる シーザー・ミランという人のお話で、訳すと「そのとき、犬は何を見たのか?」となりますが「ケチャップの謎」は第2話のタイトルですね。ケチャップメーカーのハインツがいかにして、ケチャップのシェアを広げていったかという話ですが、日本人には、ちょっとなじみが薄いし想像がつきにくいかも。

著者のマルコム氏は「はじめに」こう語りかけている。
「私がこどもだったころ、よく父親の書斎に忍び込み机の書類をめくったものだ。」
子供は好奇心が旺盛で、身近にいる人の事をよく観察している。そしてこう続きます。
「人間は、他者の心や関心をいかにして知ることができるのか」

第一話ではTVショッピングの実演販売でいかにして成功したか、その血筋とセンス、キッチンで常に試行錯誤を繰り返し、開発から販売まで自分の力で挑戦し財を成した ロン・ポピール氏の話を。第二話では、ケインズのケチャップという調味料が食卓になくてはならなくなった経過を。そして、第三話は一番スピード感があり、私はぐいぐいと引き込まれてしまった、金融危機後に大ブレイクした作家で投資家のナシーム・タレブ氏の経済学を、マルコム氏が直接インタビューから独自のタッチで書きおこしてる。タレブ氏も最初からそうだったのではなく、とある投資家の元をおとずれて自分なりの経験主義をうちだしている様子が、大変おもしろかった。また、人間とは謙虚さを忘れてはいけないのだと、マルコム氏と勝間氏のお二人のフィルターを通して教わりました。とにも、かくにも、続きがとても楽しみです。

普段なじみが薄い内容かもわかりませんが、それだけ違った視点からながめられる本だと思います。原書のタイトルとなっている、「その時、犬は何をみたのか?」が気になりますね。

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